イトウタカムネ写真事務所について
イトウタカムネ写真事務所は、盛岡市鉈屋町という通りにあります。
盛岡町家(もりおかまちや)という築100年を越える明治期の職住兼用建物をリノベーションした事務所で、昔は八百屋さんだった場所です。
内部には、専門的なフォトスタジオほど広くはありませんが、天井高のある吹き抜けの空間があって、ちょっとした照明機材と背景をセットした撮影も可能です。数人までの家族写真や個人プロフィール写真、商品や料理写真などをここで撮影しています。建てられた100年前には想定されていないとおもいますが、スタジオとして十分機能する空間です。
スタジオとして使う以外にも、フォトウェディングの着付けやヘアメイクの支度場所に使ってもらうこともあり、撮影依頼をいただくお客さんとの打ち合わせも、ここでしています。
もうひとつ補足すると、この建物は事務所やスタジオだけでなく、イトウの自宅も兼ねています。「盛岡町家」は間口が狭く、奥行きが広い構造が特徴で、お客さんを招く事務所部分の奥には、イトウ家の生活スペースと中庭が続いています。
上記のみ撮影:にちにち寫眞・山本ミニ子
写真事務所をはじめるときに、自分はどうしても、そこを自宅も兼ねた場所にしたいとおもいました。いろいろな理由があるのですが、一番大きな理由は、出張撮影などでお客さんの自宅に呼ばれて、生活の内側を見せてもらうことが多くなるにつれて、それに対してこちらも同じようにひらいていたいと感じるようになってきて、思いついた一番単純な方法が、自分も自宅をオープンにすることだったからです。
フォトスタジオとして探してくれたお客さんには、実際にこの場所に来て少し驚かれることもありますが、自宅とくっついた仕事場です。スタートした頃はフォトスタジオと名乗っていましたが、どうも実状に合っていないことにだんだん気がついて、スタジオとか写真館というより「イトウさんち」と呼ばれていたほうがちょうどよいのかなと思っています。
このWebサイトや実店舗(事務所スタジオ)の在り方もひとつのコミュニケーションの方法ですので、日頃の在り方や発信から、もう撮影ははじまっているとおもいながらやっています。
相手のいつもの、ありのままの空間に、心理的にも物理的にも招いてもらえるように、まずこちらが先にそうあろうという態度のようなもので、うまく機能しているのか正直なところよくわかりませんが。
そんな途上にあるイトウタカムネ写真事務所です。